レリーフの基本
立体の基本として立方体を彫りたいと思います。
彫り物は凹凸で立体をで表現するので
比較的楽に感じるかもしれませんが
丸彫り(人物像などの彫り方)以外は
絵を描くことと似ています。
一番大事なことはデッサンです。
デッサンと聞くと苦手な人も多いと思います。
実は私も絵を描くことが苦手でした。
幸運な事に修行中絵画教室で絵の基礎を学ぶ
ことが出来今ではそこそこ絵が描けるようになりました。
2点透視図法から説明したいと思います。
立方体を書くときは、奥に行くほど間隔が狭くなる
ように書いてください。上の2点透視図法を頭に
入れながら書くと比較的うまく書けると思います。
この図が書けてから彫りに入ります。
上の図案をカーボン紙で板に写した所です。
彫る前にどのように彫るか考えます。
さいしょに鉛筆で印した所が立方体の中で一番高い所です。
ここは掘り下げてはいけない所です。
彫らないように気を付けましょう。
鉛筆で印したこの3カ所は一番深い所です。
板の厚みによりますが、ここを深く彫った方が
立体を表現することが楽です。
上記のことをふまえて彫り始めます。
一番深い所から彫り始めます。3カ所は同じ深さで彫ってください。
深いほど表現が楽です。
次に中間の深さを決めます。
一番高い角と深い角以外の角が中間の深さになります。
一番深い所の深さの半分の深さに彫ってください。
次に点と点を結んで線にします。
角と角を直線になるように彫ってください。
線と線を結んで面にします。
ほぼ平らな斜めの面が出来ると思います。
写真が変形したわけではありません。
板を斜め下から見た写真です。
斜めなりに平らに彫られてることが確認できますか?
3面を彫るとこのようになります。
形上は立方体を表現していますが何か足りません。
立方体の特徴を考えてください。
立方体の特徴はズバリ直角の角です。
角がはっきりする事により立方体らしくなります。
絵の場合は陰を付けて角を強調しています。
彫り物の場合は、色を塗ることも出来ますが
色を塗らないで表現するには、左の写真のように
浅丸のノミを使い面の縁だけ立ち上がるようにして
角を強調します。
本来、平らに仕上げる面ですが、あえて凹ませる
事により、立方体の特徴を強調しています。
浅丸のノミを入れる前の写真より
立体的に見えてきました。
このとき浅丸のノミで凹ませた事が
わからないように彫ってください。
その他の方法
他に角を引き立たせるために
あえて、切り込みを入れ角を強調する事も出来ます。
基本的に正しい方法はありません。
どうしたら、それらしく見えるか考えて彫ってください。